コロナウイルスによる影響が長期化されることが懸念されてきました。
店舗経営などを行っていると、固定費に占める割合としては、まず人件費が大きくなりその次に大きなものは家賃になるのでないでしょうか。
読者の方で大家さんいらっしゃったらごめんなさい。
実はわたくしもサラリーマン時代、チェーン店の店舗開発をしており、70店舗ほど大家さんとの家賃交渉を行った経験があります。
家賃を下げてくださいと言った場合、追い出されるのではないかと心配される方もいらっしゃると思いますが、そういったことはありませんでした。
理由としては普通賃貸借契約上では借主側が有利であるからです。貸主は特定の理由がない限り、借主を追い出すことは大変なんです。
その結果、全く聞いていただけない大家さんもいましたがおおむね、相談に乗っていただきました。
大家さんも今テナントに出ていかれても、新規のテナントが決まるまでの間、家賃収入は0円となります。しかも不況時には次のテナントはなかなか決まらず、場合によっては値段を下げなければならず、多少下げても今のテナントさんにいてもらった方がよいと考える方もいらっしゃるのです。
以下はその時の手法です。
- 交渉に有利な条件を集めよう。
有利な条件とはもう何年も契約を継続しており、支払家賃の総額は●●万円になるなど実績があれば大家さんも聞いてくれる可能性が高くなります。また支払いに対しても過去に遅延等なければ、その点もポイントとなります。
2.周辺でテナント募集の物件があるかどうか調べる。
空きテナントが多い地域は値下げ交渉のしやすい物件とも言えます。さらに募集の坪家賃等も確認しておけばどのくらい交渉できるかの目安ともなります。
3.会社の実情を知ってもらう資料を作ろう。
細かくは必要ありませんが、売り上げ減少の現状今後の見込み、会社で取り組む固定費の削減などお渡しできる資料があると説得力が増します。
4.期限を区切る。
物件は借りたばかりであり、実績もないという場合でも、今回のようなコロナウイルスによる予測不可能な「売上消失」に関しては窮状を説明したうえで、一定期間の賃料削減をお願いする。半年間、1年と期限を区切ると大家さんも安心しやすい場合があります。
5.直接会って話をする。
大家さんには普段お世話になっている感謝の気持ちをお伝えしたうえで、しっかりと誠心誠意お願いしましょう。いろいろな有利な資料も結局最後は人間力がものを言います。おごらず、高飛車になることなく頭をさげましょう。
交渉相手は不動産屋さんとなるのか、大家さんになるのか賃貸契約書及び重要事項説明書を確認して相談しましょう。ただの仲介不動産であれば交渉は大家さんと直接行います。物件の管理まで不動産屋さんが行っているのであれば、交渉は不動産屋さんを通してお願いすることになります。
今までのお話は経営計画を立ててからのお話です。計画を立てずに交渉した翌月からまた下げてくださいは通りませんのでご注意ください。
いかがでしょうか。不況時には金額の大きな固定費から手を付ける。開けない夜はありません。「打つ手」は無限で乗り切りましょう。
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